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高橋英海「中央アジアのキリスト教:シリア語研究の観点から」

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シルクロード学研究会3番目の発表は高橋英海(東京大学)「中央アジアのキリスト教:シリア語研究の観点から」。私にとっては期待大で臨んだ発表で、ひと月前から「東方キリスト教諸教会ー研究案内と基礎データ」の高橋氏の執筆部分とネット上の論文を読み返して準備しました(真面目か)。

発表に先立ち、高橋氏は「親の仕事で小さい頃イラクにいて、アル・シャイーアの北にある遺跡に行ったことを思い出した」と話していました。そんな子供時代を@@

高橋氏はシリア語文献学ならびにシリア語典礼教会の第一人者。神学に強いセント・アンドリューズ大学(イギリスのスコットランドにある)の出身だから、それが東方教会の研究に資する面があるのだろうと想像していましたが、幼少の頃に西アジアの遺跡に触れる機会もあったんですね。背景というか素地というか、造詣の深さが腑に落ちました。

発表では、まず中央アジアに展開したキリスト教諸教会とその使用言語を概説。「景教」は「アッシリア東方教会」の唐代中国での呼称なのですが、彼ら自身は「東の教会」と言っていて、高橋氏は「東シリア教会」を使っていると言っていました。

「東シリア教会」の使用言語はシリア語、ペルシア語、ソグド語、アラビア語、トルコ語。それだけ広がりを見せたということでしょう。

次にシリア語文献資料にはどのようなものがあるかをリストにしてポイント解説。他の発表でも触れられていたティモテオス1世(ティモテ、ティモシー1世とも)の『書簡』41に「トルコ人たちの王」がキリスト教に改宗し、司教の派遣を求めたとの報告があり、『書簡』47には「トルコ人たちの地の司教」を叙階したとの報告があるのですが、この「トルコ人」が誰なのかという問題を確認していました。

続いて文献に見える10~13世紀の司教座のリストを提示。(これ永久保存版だわと独り言ちました。原語を併記してくれても読めませんけど...)

そしてその他の文字史料としては何が発見されているのかを、写本と碑文等に分け、更に出土地域別にしてリストアップ。写本は動くけれど、碑文、特に墓石はあまり移動しないと考えられるから、その地域にその人たちがいたことの証明になるだろうと思い聞いていました。

また吉田氏の発表にも出てきたウルグト(碑文が出土)ですが、中央アジアで見つかった遺跡ではっきりキリスト教会址とわかっているのはこことアク・ベシムだけだということでした。発表同士が連関していて興味がかき立てられます。

その次に挙げていたのは、モンゴル期前後の中国(周辺)のシリア語関係史料。やはり写本と碑文等に分け、地域別にどこで何が出土しているのかを列記。私はこんなにきちんとまとまったリスト見たことがないです。

リストに上がった史料は膨大な数ではないけれど、時間内に詳述するのは不可能なため、ポイント解説に留まりましたが、ページの半分を占める註(その史料に関連する論文が挙げてある)があるので、更に勉強したい人には有用。次はこの本(論文)探そうとチェック付けたりして♪

しかし・・・、一つひとつ研究していたら一生が何度あっても足りないくらいなので、多くの優秀なエキスパートに研究してもらい、生きているうちにその恩恵を被りたいものだと、至極他人任せで自分本位な感情を抱いてしまいました。汗

だけど研究する人たちの努力が無駄にならないよう、足りないながらも理解しようと試み、応援し、情報をシェアして多くの人の関心を喚起できたらなと。

4つの発表が終わり、あとは森安孝夫氏の講演を残すのみ(๑•̀д•́๑)キリッ

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