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赤神諒著「酔象の流儀-朝倉盛衰記」

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泣き虫の私にとっては、「泣ける!」というキャチコピーほどキャッチ―でないものはないのですが、読むしかなくて読みました。「男泣き必至。」と帯に謳う赤神諒著「酔象の流儀-朝倉盛衰記」。推しメン(作家)なので仕方なく(いえ、内心は喜んで♪)。

 

決して相手のものにならぬ将棋の駒「酔象」を綽名とする武将 山崎吉家を主人公に、家臣の側から朝倉家滅亡を描いた小説で、文章の上手さは折り紙つき。流れるような文章運びと言葉の巧みさだけでも、読んだ甲斐を感じるのですが、私のおすすめポイントは伏線の妙。

 

今回は、冒頭に織田信長が出てきて首実検が始まるのですが、戦いの結果をあらかじめ示してしまいます。読む側としては、戦いが始まるよりずっと前に、主人公が活躍もしてないのに、どうしてこれ最初に描いちゃったんだろうなと思うしかありませんでした。

 

こういう結果になることを承知で、山崎吉家の物語を読んでいくことになるので、終始その末期の姿が思い浮かびますし。疑問ですよね。

 

またもう少し進むと回想のような形で、朝倉宗滴という最高の武将と吉家が出会うシーンが丁寧に描かれているのですが、これはこれで冗長な感じもして、「どうして?」感再び。なぜこのシーンをこんなに時間をかけて読まなければいけないのか疑問で。

 

それらが氷解して、「泣ける」を我が事として体験するのは、バカにされ続けた裏切り者の前波という武将が「わしなんぞで、相済みませぬ」と前をはだけて、首を胸にかき抱いて泣くところ。「今回は大丈夫」と強がっていた涙腺を崩壊させられました。

 

考えてみたら、朝倉家が滅ぶことは歴史の教科書で知っていることだから、家臣たちが討ち死にしただろうことも推測できること。そういった歴史を知っていても楽しめるだけの要素がなければ、人は小説を読みはしないのでしょう。

 

だから大抵はキャラクター設定やエピソードで盛り上げるのですが、作品中の伏線と構成でも読ませるのがこの作家の腕なんだと思いました。

 

読み終えると、酔象、前波、景鏡、義景・・・それぞれの印象が心に残って朝倉家の物語全体が有機的なもののように感じられてきたりもします。それを「盛衰記」といったんでしょうかね。できるだけネタバレしないよう感想を書いたので、これだけでは「何それ?」かもしれませんが、結論はですね、「泣いても泣かなくてもいいものはいい!」ですね。

 

あ、それから!!この本の表紙カバーを取ると、酔象がずっと彫ってた酔象みたいな笑みをたたえる石仏が現れます。この仕掛けを見た時、買って良かった~と思いました。本離れが進んでいる昨今ですが、こんなおまけ的なものがあると、感動を再体験できて、本を手元に置く愉しさが倍増するのかもしれません。

 

SNSによると私の愛するこの著者は、現在腱鞘炎に悩みながら執筆中とのことで、これからも頑張ってもらうために、お祈りも込めて応援しようと思っています。推しメンがいるから頑張れると言っている人の気持ち、今ちょっとだけ分かりますね。次回作も楽しみにしながら・・・(o^^o)


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