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講談社刊「決戦!設楽原」

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講談社が編んだ「決戦!設楽原」読みました。「決戦!」シリーズは、関ヶ原など歴史上有名な戦いを取り上げ、複数の作家が様々な角度から描くアンソロジー。「決戦!設楽原」では、設楽原の戦いをめぐる物語を7人の作家が紡いでいます。シリーズの中で設楽原を選んだのは、自分の好きな作家が寄稿しているから。

書く人によって文章の書き方が違っているので、多少読みにくいところはありますが、普通なら戦いの一方が主人公になったら、他方のことはほとんど感情移入できずに終わるのに、双方の人間模様や思惑がそれぞれの短編になって描かれているので、両方に思い入れを持って読めるのがいい点。

全部読んでみて、個人的には最後の二編、簑輪 諒「淵瀬は廻る」赤神 諒「表裏比興の者たち」が良かったです。山口 昌志「佐々の鉄炮戦」も、鉄砲3,000丁で三段撃ちした話で面白く読めたのですが、ラストだけが「なぬ?」でちょっと減点。もちろん好みが反映されていることですけど。

残念に思ったのは、武田軍(真田も)と織田・徳川軍に主人公が絞られていて、長篠城攻防戦で利敵行為を拒否して武田軍に磔にされた鳥居強右衛門(とりい・すねえもん)の話が出てこなかったこと。設楽原決戦に限定したからかと思いきや、鉄砲の話は長篠の戦いですもんね。

そもそも強右衛門の話は、作家さんたちに割り振られなかったんでしょうかね。強右衛門、日本人のメンタリティーに訴えるものがあると思うんですけど(私は見たくて強右衛門が磔にされた場所や墓まで行ってしまった)。確かに強右衛門は、勝敗を左右する重要な要素とは言い難い、ほんの一部分に過ぎないのだから仕方ないのでしょうね。

しかし、思えば参戦した一人ひとりにストーリーがあるんだから、いろんな角度から描いて合戦を浮き彫りにするという形式はアリですよね。ほんとは参戦した武将一人ひとりを主人公にしてもいい訳で、その隊の一人の心情に寄り添っても面白いものになりそうです。

だって実際に、様々な人がそれぞれの思いでそこにはいたはずなんですから・・・。「歴史」と言いながら、大物と大勢を中心に情報を取捨選択して、随分とアバウトに認識し、語っている面があるんだろうなと思いました。視点を変えて見ることの大切さを気付かせてもらった気がします。


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