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赤神諒「大友の聖将(ヘラクレス)」

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赤神諒「大友の聖将(ヘラクレス)」、愉しみながら読了。
本書は大友宗麟に仕えた家臣を描く赤神作品の第二弾で、今回の主人公は柴田礼能(リイノ)。あまり詳しいことが知られていないこのキリシタンを取り上げて、長編小説にしていただいただけで、私としては恩の字。しかもキリシタンの信仰について、ちゃんと調べよく理解して書いてくれています。

キリシタンを主人公にした小説は多々ありますが、読んでみると「まじか?」と思うくらい誤解が満載だったりします。キリシタン時代の司祭を「牧師」と書いていることもザラで(この頃はカトリックしかいないので司祭、もしくは神父しかいません)、キリシタンになった動機として「人の上に人を作らずという教えに惹かれた」とか書いてあって、「それは福沢諭吉・・・」とツッコむ気力さえ奪われることも。

それでも「キリシタンを主人公にしてくれてありがとう」と思って読んでいますが、ストレスなくキリシタン物を読める機会は少ないのです。その点、赤神さんエライ。上智大学で学んだのでしょうか。大友宗麟の信仰の軌跡としては、耳川の大敗から秀吉への援軍要請、臼杵城籠城の過程でもう一段階深化したのではないかと私も考えているのですが、その過程をこの小説では物語として自然に描いています。全くの史実とは言えないとしても、宗麟の信仰の軌跡は存外このようだったのではないかと思いました。

主人公たちの女性との関わりも出てくるのですが、「エンターテインメント小説だから恋愛の要素も出てくるんだろう」と思っていましたが、さにあらず。主人公たちの犯す不義が「罪」として認識され、それがまたキリスト教的内容に結びつくのです。最初はそんな構造になっていることを知らずに読み進んでいたのですが、気付ていてからは「深いな」と思いました。私見ですが、本作品は前作よりも「深い」です。

ネタバレになるので詳しくは書けませんが、「赦され、与えられた生」がテーマのような気がします。「赦され、与えられた生」と言うなら、それは私もですからね。そんな生をどう生き抜くのかを、リイノを通して考えさせられました。さて、クライマックスの章は泣きっぱなしです。涙もろい人は涙腺崩壊にご注意を。でもたまにはそんな小説を読むのもまた愉し、ですよね(#^^#)


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