2014.11/27 [Thu]
ユダヤ教の礼拝所襲撃、4人死亡7人負傷 エルサレム

ユダヤ教の礼拝所襲撃、4人死亡7人負傷 エルサレム
朝日新聞エルサレム=山尾有紀恵 2014年11月18日23時31分
エルサレム西部のシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)で18日午前7時ごろ、銃やおのを持ったパレスチナ人の男2人が礼拝に来ていた人々を襲撃し、ユダヤ人4人が死亡、7人が負傷した。イスラエルのネタニヤフ首相は報復する考えを示した。イスラエルとパレスチナの間の対立がさらに深まるおそれがある。
警察によると、男2人はイスラエルの占領下にある東エルサレム在住。現場付近に停車した後、別のシナゴーグへ向かったが、誰もいなかったため、礼拝中の人がいたこのシナゴーグを襲撃したとみられる。2人は襲撃後、駆けつけた警察との銃撃戦で射殺された。容疑者が現場付近の雑貨店で働いていたとの情報もある。パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスなどは、攻撃を歓迎した。一方、パレスチナ自治政府のアッバス議長は攻撃を非難する声明を発表した。
地元メディアによると、亡くなった4人はイスラエル国籍のほかに、3人は米国籍、1人は英国籍も持っていたという。イスラエルのネタニヤフ首相は事件を受け、「ハマスとアッバス氏が扇動した結果だ」と非難した。
現場付近は敬虔(けいけん)なユダヤ教徒が住む地区で、地元住民によると、毎朝6時半から行われる礼拝に数十人が集まっていた。路上には血痕が残り、現場検証にあたる警察と詰めかけた報道陣で騒然とした。被害者の遺体4体が、シナゴーグから運び出された。現場の向かいに住むサラ・アブラムスさん(38)は「近くを歩いていたら銃撃が始まった。外で1人刺されて、テロリストが中へ入っていった。すぐに警察が来て、怖くて車の影に隠れた」と証言した。
10月下旬以降、パレスチナ人がイスラエル人の群衆に車で突っ込んだり、ナイフで攻撃したりする事件が連続して発生し、イスラエル人計6人が死亡。一方、各地でパレスチナ人とイスラエル治安部隊の衝突が頻発し、パレスチナ人少なくとも6人が死亡している。16日には、パレスチナ人のバス運転手が車内で首をつって死んでいるのが見つかり、警察は自殺と断定したが、パレスチナ人は殺人だとみて反発を強めていた。今回の事件を受けて、緊張がさらに高まるのは必至だ。(エルサレム=山尾有紀恵)
- 関連記事
-
-
パキスタン:学校襲撃を受け、ペシャワールでクリスマスの祝祭が取りやめに
-
至近距離から銃撃=無抵抗の子供「処刑」―パキスタン学校襲撃
-
ユダヤ教の礼拝所襲撃、4人死亡7人負傷 エルサレム
-
袴田巌さんも登壇
-
「コーラン冒涜」で夫婦殺害、窯で焼かれる パキスタン
-
スポンサーサイト
Comment
Comment_form