Heaven's Cafe

キリシタンのあしあとを求めて・・・♪

Category [本棚 ] 記事一覧

石川明人「キリスト教と戦争~「愛と平和」を説きつつ戦う論理」

石川明人「キリスト教と戦争~「愛と平和」を説きつつ戦う論理」読みました。「なぜキリスト教徒は愛と平和を口にするのに戦争をするのだろうか?」という問いに納得のいく返答がないと、まえがきに書いてあるのを見て、読まずにいられなくなり。続けてこうも書いてありました。これは「愛と平和を祈ること」と「戦争をすること」とは両立しないという思い込みがあるからこその疑問だが、そもそもこの両者は必ずしも矛盾するとは考...

竹下節子「ユダ 烙印された負の符号の心性史」

竹下節子「ユダ 烙印された負の符号の心性史」読みました。すごいですね、この著者。どんだけ頭良くて鋭いんだと思いました。知識の量も半端ないし。キリスト教に関するいろんな本を書いていますが、今回のテーマはユダ。太宰治や遠藤周作の作品を挙げて、日本文学に顔を出すユダ像から解き起こし、ヨーロッパでも千年間熟成されてきたユダ像が変化してきていたことを指摘。そこから旧約聖書とイエスキリストの預言成就、グノーシ...

森禮子「神父ド・ロの冒険」

森禮子「神父ド・ロの冒険」読みました。いい本だわとしみじみしながら。まだ日本が禁教令下だった頃に来日し、長崎の出津などで活躍したド・ロ神父の評伝で、芥川賞作家の森禮子氏の過不足なくユーモア漂う文章でつづられています。森禮子氏の文章の良さは、下手に感情的に書かれていないので、心にすっと入ってくるところ。生き方自体が感動的なド・ロ神父のことを、あまりに感情移入した書きっぷりをされると、かえって妙な感じ...

日野原重明「いくつになっても、今日がいちばん新しい日」

日野原重明「いくつになっても、今日がいちばん新しい日」読みました。題名からして、きっと人生訓のようなことが書いてあるんだろうなと思っていましたが、違いました。健康診断の数値は、高齢者は若い人と一律に判断するのでなく、運動量や体の変化に応じて判断すべきだとか、老眼になったら足元を気を付けるようにとか、お医者さんらしいアドバイスが満載でした。もちろん人生訓というか、老いにはこう備えよ、老いてからはこう...

小石房子「豊後の王妃イザベル」

小石房子「豊後の王妃イザベル」読みました。「豊後のイザベル」とは、大友宗麟の継室奈多夫人のこと。イゼベルは旧約聖書に出てくるアハブ王の妻で、神の預言者エリヤを迫害した人物。奈多夫人もまた、キリシタンを迫害したため、宣教師らから「イゼベル」と呼ばれていたのです。さてこの本、イゼベル寄りで書かれているため、キリシタンについてはひどい書きようです。特に大友宗麟は、短慮で好色で、自分勝手で勇気がなく、ヘタ...

内田樹・釈徹宗「聖地巡礼リターンズ」

内田樹と釈徹宗が日本各地の聖地を旅する「聖地巡礼リターンズ」読みました。「聖地」と言っても、サブカルチャー的な「聖地」まで含んだ広い意味のもので、決してエルサレム巡礼の話ではありません。この「聖地巡礼」はシリーズ化されていて、今回の目的地は長崎・京都・大阪。キリシタンゆかりの地をめぐっていたので読んでみたのです。旅人の一人、内田樹はユダヤ教や西洋思想に強い評論家で、もう一人の釈徹宗はお坊さん。キリ...

進藤龍也「あなたにもある逆転人生」

進藤龍也「あなたにもある逆転人生」読みました。進藤龍也氏は、元ヤクザの牧師さん。服役中に聖書の言葉に出合い改心し、同じようにヤクザから牧師になった人の援助を受けて更生。「罪人の家」ザアカイの家を開所して、キリストを通して多くの人が救われるよう、受刑者との文通や講演を行っています。これを読んで、救われた人の証を知って、「良かった」と言いたいところですが、覚せい剤などに関しては、本人が更生しようと思っ...

神谷 光信「須賀敦子と9人のレリギオ」

神谷 光信「須賀敦子と9人のレリギオ」読みました。レリギオとは「敬虔さ」のこと。カトリックに親しんだ著名人たちの軌跡を通して、どんな心性を持っていたかを記しています。だから例えば美智子妃殿下など、洗礼を受けていない人、クリスチャンにならなかった人も含まれています。選ばれた人は彫刻家、哲学者、科学史家、司祭など多岐にわたり、あっちにもこっちにも視線を揺さぶられる感じ。題名になった須賀敦子についてが冒頭...

中勘助「銀の匙」

中勘助「銀の匙」を、なんて心地よい言葉だろうと味わいながら読みました。「悲しい」とか「嬉しい」とかの感情表現を一切しないで、ただ目に映る物を描写しているだけなのに、主人公の思いが手に取るように伝わり、読んでいるといろんな感情が引き起こされるのです。どこまでも精緻で清い描写が生み出す、珠玉の表現。ありのままを表そうとした自然派でもなく、耽美主義的なのとも違う、何と言えばいいのか。。それでいて、芸術的...

まじか?と思った、山崎 信二著「長崎キリシタン史」

山崎 信二著「長崎キリシタン史」読みました。最初この本のタイトル見たときは驚きました。「長崎キリシタン史」だなんて、キリシタン研究の第一人者が書いた同名の本があるし、「長崎」に「キリシタン」という組み合わせの本も、ごまんとあるのに。なぜ今さら「長崎キリシタン史」?名前を知ってるような著者でもないなと思って調べてみたら、この人の得意分野は「瓦」!よく「長崎キリシタン史」なんていうベタなタイトルで本を...

藤木稟「バチカン奇跡調査官」1,2,3

藤木稟「バチカン奇跡調査官」1,2,3巻を一気に読みました。これをハマっていると言うのでしょうか?言ってもいいかもしれません。やめられないほどではないですけど、面白く読みました。ハイ、いわゆるラノベですけど。ラノベとはライトノベルの略で、主にティーンを対象とした読み物。小説よりは軽いテイストなのでライトノベル。マンガと小説の中間くらいの位置づけで、結構読まれています。下手な小説よりも発行部数はかなり多...

堀辰雄「風立ちぬ/菜穂子」

堀辰雄の「風立ちぬ/菜穂子」を、小学館文庫で読みました。「日本文学」として習ったことがあるものを読むのは久しぶり。同じ文庫本でも学生の頃とは違うことを知りました。私が馴染んだ新潮文庫や岩波文庫の小さい文字の羅列ではなく(もちろん当時はそういうものだと思って読んでましたが)、読みやすいフォントに文字も大きくなってて。作品も現代仮名遣いになっているので、読みやすいことこの上ないです。カバーのイラストも...

「希望の奇跡」13年の牢獄生活トゥアン枢機卿の生

ベトナムの激動の時代を生きたトゥアン枢機卿の人生を描いた「希望の奇跡」を読みました。トゥアン枢機卿は初代大統領ゴ・ディン・ジエムの甥で、代々カトリック信徒の家に生まれて神父になった人物。ベトナム戦争が終結した1975年、共産主義が台頭する中、危険分子として不当に逮捕され、13年の長く過酷な牢獄生活でも、希望をもって生き抜きました。とても力強く、信仰的に励みになる内容で、2日にわたって一気読み。心に残るペ...

鈴木範久「聖書を読んだ30人~夏目漱石から山本五十六まで」

鈴木範久著「聖書を読んだ30人~夏目漱石から山本五十六まで」読みました。「クリスチャン」ではないけれど、聖書を読み、その影響を受けていた人を紹介する内容で、遺された聖書のどこに線が引いてあるとか、文学者なら作品のどこに影響が見られるとか、割と平易に書かれていて読みやすい本でした。同じような内容で、キリスト教の影響を受けた歴史上の人物を紹介する本を、守部喜雅氏も何冊も書いていますが、聖書に特化している...

松谷信司「キリスト教のリアル」2

「キリスト教のリアル」を書いた松谷信司氏は、キリスト新聞社の若き社長にして、「キリスト新聞」「ミニストリー」編集長。青山学院で行われた「イエスぱねえ マジネ申すぎてワロタww」でバズり(私も思わず聞きに行きました)有名に。「リアル」を語る資格十分です。データも挙げて記述しているので分かりやすく、例えば・今日、日本にはすべての教派を含め7731の教会と、規模的には教会より小さい伝道所が915件、あわせて約9000...

松谷信司「キリスト教のリアル」

松谷信司編著「キリスト教のリアル」読みました。前から気になってたんですが、手に取るまで2年。本って読み始めるとどんどん読むんですが、ちょっと離れるとしばらく読まないってことがあるような。いや、それはさておき・・・。読んでみてタイトルの意味がよく分かりました。なるほどリアルなキリスト教の現状が分かるなと。自分もクリスチャンの端くれですが、それゆえに俯瞰して見ることも、客観的に見ることもできてなかった...

リチャード・ニクソン「ノー・モア・ベトナム」

リチャード・ニクソンが書いた「ノー・モア・ベトナム」読みました。今頃ベトナム戦争の本読むなんて、話題性に乏しいかもしれませんが、ベトナムの旅行記を書きながらいろいろと興味を持つことがあって、調べて続けているのです(;^_^A「ノー・モア・ベトナム」は、いわゆる「タカ派」の立場に完全に立っていて、内容を簡単にまとめると、・ホー・チ・ミンは悪い奴。良い人を装って独裁政権を作った。・ベトナムの共産党は悪一色。...

山本七平「静かなる細き声」

山本七平「静かなる細き声」読みました。1977年から約4年間にわたり「信徒の友」に連載されたものをまとめた本で、前半は山本七平の小さい頃の自伝です。自伝部分を読んでいるときは、「こんな感じで進んで行くのかなー」と思っていたら、後半になればなるほど難解な思想史になっていき、私の頭ではついていけませんでした;;しかし戦争に行き、終戦をフィリピンで迎えた山本にとっては、その犯人たる「現人神信仰」が何であった...

「大航海時代の日本人奴隷」3

著書の「おわりに」に結論があるので、それをまとめますと・・・。戦国時代に「乱取り」があり、生け捕りにした人を戦利品とみなして売るということが日本では行われていた。売られた日本人に豊後出身が多いのは、大友宗麟が関与したとは言い難く、豊薩合戦で捕らえられた豊後の民が薩摩側によって売られたと考えるのが自然(実際島津領では乱取りがよくあった)。 自ら自分を売ったり、子供を売った日本人もいたが、奴隷ではなく...

「大航海時代の日本人奴隷」2

では「大航海時代の日本人奴隷」の内容へ・・・。書き出しにあるのは、読売新聞で2013年に報じられた「3人の日本人奴隷がいた」という記事で、それに反応した人が多かったことです。専門家の間には既に入手されていた史料で、この他に先行する研究として、岡本良知が戦前に日本人の人身売買があったことを証明しているので、著者にとっては目新しいことではなかったよう、しかし日本人奴隷に関する細かい研究はなされておらず、そ...

「大航海時代の日本人奴隷」

ルシオ・デ・ソウザと岡美穂子共著の「大航海時代の日本人奴隷」読みました。勢い余ってメモ取りながら2読も。それくらい知りたいことが書いてありました。よくネットなどでは「キリシタン大名って日本人を奴隷として売り飛ばしてたんだよね」とか「大友宗麟は自国の領民を南蛮人に奴隷として売っていた」「イエズス会は日本人を売ることに手を貸していた」とか書いている人がいるんです。それは違うんじゃない?と思うけれど、そ...

加賀乙彦「殉教者」

加賀乙彦の「殉教者」読みました。ペトロ岐部について書かれた小説です。ペトロ岐部は日本人として初めて聖地エルサレムを巡礼した人ですが、その路程はゴアまで行ったことは他の資料からも確かですが、その後の行動が分かっていません。エルサレムへの経路も方法も、そもそもどうして行こうと思ったのかという動機も、エルサレムで何をしたのかも。 エルサレムからローマに行った経路、方法も不明ですね。そこで学び、司祭に叙階...

永井隆「長崎の鐘」

永井隆著の「長崎の鐘」を初めて読みました。名前はずっと知っていたんだからもっと早く読んでいても良かったんですが。読んでみて、やっぱりちゃんとした本をしっかり読まなきゃと思いました。それだけ得るもの、影響を受けるものがあります。永井隆という人はお医者さんでクリスチャン。原爆投下の長崎にいて、自らも被爆しながら診察にあたり、原子病に苦しみながらも後世に伝えるために著作を残しました。文章は端的で格調高く...

星野博美「みんな彗星を見ていた」

星野博美著「みんな彗星を見ていた」を読みました。結論から言うと、すっごくすっごく良かったです。書評で三浦しをんさんが「私は強く胸を打たれ、もうもう涙で文字が曇って、しゃくりあげながらページをめくるありさまだった」と書いている通りでした。「殉教者」という重いテーマを自分の中に落とし込んで、感じたこと、体験したこと、そしてまた感じたことが書かれているので、自分も何か同じ旅をしたように感じました☆ キリ...

カトリック札幌教区100周年

カトリック札幌教区100周年を記念した冊子を借りて読みました。キリシタン時代から現在までの北海道の宣教史が俯瞰できて興味深かったです。札幌といえば「札幌バンド」でもあるので、プロテスタントの動きを少しでいいので加味してくれたらどんなにいいかと思ったんですけど、そうはいかないものなんでしょうね。教派主義を超えた動きが、カトリックとルーテル派、聖公会の間には起こっているけれど、また仏教とのエキュメニュカ...

「小さなロバ」

「小さなロバ」を読みました。三浦綾子没後10年を記念して出版された本で、写真と三浦綾子の文章とが合わさったものなんですけど、友人がくれまして。読みやすく手に取りやすいので、初心者向けの感がありますが、北海道に行く前に読めたので準備になりました。最近三浦綾子の本、随分読んでますしね。こういう本は、読むというより味わうものなんでしょうね。...

「わが父、手島郁郎を語る」

手島佑郎著「わが父、手島郁郎を語る」を読みました。手島郁郎は「キリストの幕屋」というキリスト教系団体を創始した人で、私はキリスト教伝道者ではないかと思っているのですが。この本は、今は「マクヤ」を離れた息子によって書かれたもので、手島郁郎の人間的な限界と手島郁郎亡き後の組織の変質について詳しく述べられ、外側からは分からない内部の状況が白日の下に晒された感があります。私はこの教派(?)のことをよく知ら...

横山秀夫「64(ロクヨン)」

横山秀夫「64(ロクヨン)」読みました。久しぶりにミステリー。資料とか学ぶとかでないエンターテインメントです。たまにはいいかと思いまして。横山秀夫は文章うまいですね。私が好きな書き方をするからそう思うのかもしれませんけど。でも男の仕事の世界って、こんなにジリジリと焦燥感に駆られるものなんでしょうか。知らない世界だから分かりませんが、「こんなに?」というくらい戦いの世界で、メンツと意地がぶつかる様が描...

三浦綾子「銃口」読みました

三浦綾子「銃口」読みました。北海道であった綴り方事件(綴り方とは作文のこと)に巻き込まれた青年を描いた小説で、信教・言論の自由と戦争を扱ったものです。私はこういう「正しい」感じの小説が苦手だったのですが、何かを知ろうと思ってからはよく読むようになり、目が開かれる思いがしています。特に「銃口」からは、三浦綾子が「書かねばならない」と思っていたことが感じられました。戦時中、日本が苦戦し国民が喘いでいる...

司馬遼太郎「空海の風景」

司馬遼太郎「空海の風景」読みました。司馬遼太郎の衒学的って言ったら叱られるかもしれないけれど、博覧強記ぶりに圧倒されつつ。空海が唐で景教に触れた話が書いてあると聞いたので手にとってみたのですが、そういう話ではなかったですね。景教とはシルクロード経由で中国に伝わったキリスト教(ネストリウス派)のことですけど。司馬遼太郎が空海をどう捉えているかは分かりました。非常に頭がよく情念的だったと考えたようです...

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由愛(ゆめ)

Author:由愛(ゆめ)
キリシタンのあしあとを求めて旅するサイト『天上の青』の管理人をしています☆

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